国富 2015 1 31

 私は、税制について、何度か書いていますが、
一律税率で、所得税10%、法人税10%がよいと考えています。
 税率が高ければ高いほど、人々は節税に夢中になります。
そんな努力は、社会にとって、無駄です。
 現代においては、人類の英知を惜しみなく使った結果、
高度な「節税」が可能になりました。
 しかし、人類の英知をそんなことに使うのは、
社会にとって、損失でもあります。
 そういうわけで、人類が節税に夢中にならないように、
私は、所得税も法人税も、一律10%がよいと考えています。
 このようなことをすると、一時的には、税収が減りますが、
世界中の資金が、日本に集まります。
国際「浮遊」資金は、500兆円とも1000兆円とも言われています。
 ついでに、これも前に書いたと思いますが、
株式の配当所得は非課税であるべきだと考えています。
同じく、株式の譲渡所得も非課税でよいと思っています。
 それは、なぜか。
株式投資家で生き残れるのは、
長期的には、10人に1人と言われています。
 株価というものは、右肩上がりの時もあれば、
右肩下がりの時もあります。
さらに、突然の暴落もあります。
 だから、長い目で見れば、
株式投資家で最終的に生き残るのは、
10人に1人になってしまうのです。
 そういうわけで、10人に1人の成功者に対して、
待っていたものは、勝利の美酒ではなく、
資産課税だったというのでは、誰も投資家にはなりません。
 リスクを取って、やっと成功したのに、
税金が待っていたのでは、投資家はいなくなります。
 社会にとって、リスクを取る投資家は必要です。
創業間もない企業や、これから起業する人に対しては、
担保となる財産がないので、銀行は、お金を貸しません。
このような人たちに、資金を提供するのは、投資家です。
 政治家たちは、社会主義や共産主義が好きでしょうが、
本当に考えるべきは、創業や起業です。
創業や起業がない社会は、停滞します。
さらに、富が固定化します。
 政治家たちは、社会主義や共産主義を作りたいのでしょうが、
私は、「未来のマイクロソフト」や「未来のトヨタ」を作りたいと思っています。
 どんな大河でも水源まで遡れば、小さな湧き水です。
今は、小さな企業でも、将来は、無限の可能性があります。
今をときめくトヨタ自動車も、「町工場」の時代があったのです。

クラウド・ファンディング 2014 11 2

書名 クラウドファンディングではじめる1万円投資
著者 大前 和徳  総合法令出版

 クラウド・ファンディングとは、
インターネットを使って、多くの個人から、資金を集め、
その資金を必要とする個人や会社に提供(寄付、融資、投資)することです。
 「これでは、抽象的で、わからない」と言う人へ。
実は、多くの日本人は、クラウド・ファンディングを体験しています。
それは、「ふるさと納税」が、そうです。
 「ふるさと納税」は、
地方公共団体によるクラウド・ファンディングです。
 私は、「公共クラウド・ファンディング」が、
ここまで大人気になるとは、想像できませんでした。
 それならば、民間のクラウド・ファンディングが、
大人気になっても、おかしくないと思います。
 多くの人は、こう思うかもしれません。
「多くの個人から、資金を集め、
その資金を必要とする個人や会社に融資するならば、
銀行と同じではないか」
 しかし、金融の現場では、
銀行は、「魅力的な融資先がない」と言う一方で、
小規模の事業者は、「お金を借りたいが、銀行が貸してくれない」と言っています。
 なぜ、このようなミスマッチが起こるのか。
日本の銀行は、意思決定が、お役所のように、硬直化していて、
担保となる不動産があれば融資する、
そういう不動産がなければ融資しないとなっているからです。
 つまり、ビジネスモデルを評価して、
融資するという手法が、日本の銀行にはないのです。
 事業を始めたばかりの起業家には、不動産はありません。
しかも、新しいビジネスをどう評価するかについては、
銀行には、ノウハウがないでしょう。
 新しいビジネスには、「新しい銀行」が必要です。
新しい酒は、新しい器にしか入らないのです。
そこで、クラウド・ファンディングの出番となるのです。
 日本の個人金融資産は、1600兆円と言われています。
そのうち、850兆円は、現金・預金です。
これは、アメリカを超えて、世界最大の規模です。
 政府は、日本版のISAである「NISA」を作って、
「貯蓄から投資へ」と呼びかけていますが、効果は、今一です。
 一方、「ふるさと納税」というクラウド・ファンディングでは、
大人気で、大きな成功を収めています。
 そうであるならば、「貯蓄から投資へ」は、
クラウド・ファンディングから始めるべきかもしれません。
















































































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